森町家庭医療クリニック主催の、「子育てを安心して楽しめるまちづくりワークショップ」が、森町文化会館で開催されました。森町病院友の会やアクティ母親クラブなど、地域の幅広い年齢層のかたが集まり、これからのまちづくりについてアイデアを出し合いました。
どのグループにも共通した「場が欲しい」という願い
参加者は4つのグループに分かれて、「森町の強み」「子育てで困っていること」「まちづくりのアイデア」を出し合いました。どのグループもたくさんの意見が熱く交わされ、時間が足りないほどでした。
その中で共通していたのは、「集まる場が欲しい」という要望です。
- 子供を安心して遊ばせたり、預けることができる「場」
- 父親、母親が情報交換できる「場」
- 子育て世代以外の人たちと支え合い、交流できる「場」
周りに同年代の子供を持った家庭がない地域や、仕事をしていて親同士の交流が少ない家庭も、取りこぼすことなく支え合うことができる「場所」。
こういった居場所がどうしたらできるのか、4つの視点で様々な意見が出ました。
楽しいことをやって、気がついたら「困った時に頼れる3人の顔」が浮かぶコミュニティづくり
このイベントは珍しいことに、参加者が意見を出した後、最後に講師の方が講演をしました。講師は、地域のコミュニティデザインをサポートされているStudio-Lの代表、山崎亮さん。
山崎さんは、取り組まれてきた過去の事例を、ワークショップで挙がった意見やアイデアと照らし合わせながらお話してくださいました。
山崎さんの話で印象的だったことは、「好きなこと、楽しいことを、地域の人たちでつくってみる」こと。自治体が仕組みを作るのを待つのではなく、自らが「楽しい」と思うことを、同じ視点を持った仲間でやってみることの重要性でした。
楽しいことでつながった仲間たちと、やりたいことを実現していくうちに、困ったときに頼れる人同士の集まりができあがります。そういうアイデアの種が、ワークショップの中でみられたと山崎さんは話していました。
「やりたいこと」から大きなコミュニティになった、広島の「のろしリレー」
山崎さんは今回のワークショップをもとに、広島の「のろしリレー」の事例を挙げてお話しくださいました。のろしリレーは、「のろしをあげてみたい」という人達が、のろしを上げるためにあれこれ挑戦したことがことの起こりでした。実際にあげてみたら、隣の島々から「のろしをあげたい!」と人が集まり、2019年は、広島、愛媛、山口の3県の103か所からのろしが上がるほど、 大きなコミュニティになりました。
今や、 「東京2020公認プログラムの認証」 を受け、「目指せ!東京!」と、東京までのろしをつなげることを目指しているそうです。

人がつながるきっかけづくりは「楽しく」「やってみる」ことから
のろしリレー以外にも、「街歩きはいいけれど、トイレがない……」というデメリットから生まれた「おかんアート美術館」など、アイデアと実行力次第でいくらでも「場」をつくることができる例を知りました。
ワークショップの時間では、アイデアがまとまりきらなかったけれど、楽しみながらやりたいことを実現する小さな集団が、町からたくさん生まれたら、それがこの町独自の魅力になり、「ここに住みたい」という人が増えて活気づくのではないか。そんな希望を描いたイベントでした。
この町には、アツい思いを持った人たちがたくさんいます。そんな人たちが集まって、水面下で面白いことを考えています。森ふくろうも、こういったイベントや団体を取材し、人と人をつなげる活動を続けていこうと思います。もし、「面白そう!」と思ったら、ぜひ連絡をとってみてください。その一歩が、結果的に魅力的なまちづくりになるはずです。
【1/17まで】森町の子育て支援に関するパブリックコメントを募集しています
森町では現在、「森町子ども・子育て支援事業計画(素案)に関するパブリックコメント」を募集中です。森町で行われている子育て支援について、不満や改善してほしいことなどを伝えることができます。1/17までと、締切が迫っていますが、まだまだ募集中だそうです。
ぜひ、この機会に意見を伝えてみてはいかがでしょうか。

森町は広くて、地域同士の交流は少ないイメージだけれど、このイベントでは、アツい思いを持った人がたくさんいました。みんな森町のことを真剣に考えている素敵な人たち。
森ふくろうも、がんばる!(・v・)